大家族の物語と自己実現③
空港の街には私が取り引きしているbrock printのお店がある。
ローカルバスで4.5時間かかるので
独り身の時は余裕で一日弾丸で仕事しに行っていたけど
小さい子供抱えていると中々行けない。
長い時間息子と離れて息子がグズら無いか、パパの信用性、色々心配もあったけど
ピンチはチャンス。1日、TrishuLの仕事をしてこよう。
街に着き、私だけ降ろされて、息子に見つからない様にひっそり見送る。
パパに抱かれている何も分からない息子を見ると複雑な気持ちになったが
仕事場に向かうオートの中で久し振りな感覚に陥った。
一つ、自分の身体の真ん中に 強い芯 があるような安心感というか。
風を切りながら久しぶりな景色を眺めながら、気持ちは生き生きとしてきていた。
五年前、父が癌で死に、少し貰った金でクラフト以外にも商品を作ろうと六年ぶりにインドへやって来た。
新興中のインドは随分と変わっていた。
そして変わらず、嫉妬する程 美しかった。
愛を感じた。このまま愛に留まっていたい。
私の原点なんだ、このお店で仕事をするのは。
店の私の担当者は痩せた私を見て心配した。
ああでも無いこうでも無いと色々と話しをしながらオーダーを進めた。
一息チャイを飲みながら、外の椅子で一服していると 久し振りの気持ちが自然と立ち上がる。
Thank u
ありがとう
感謝の気持ち。
仲間外れに思っていた帰りのバスの中で目一杯、好きな音楽を聴いた。
仕合わせだった。
相当疲れたけど、とても充実感を感じて居た。